次の文章の( )に入る最も適当な言葉を、のA、B、C、Dから一つ選びなさい。(1× 10 = 10 点) この話をする前に、「時間というものは造ることができない」という、あたり前のことを言っておきたい。 1 日が 24 時間であることを変えることはできない。 睡眠時間を削ればいいという人もいるだろう。必要な睡眠時間は個人差がある( 1 )、無理をすると苦痛も大きい。楽しいことをするために睡眠時間を削るのはそれほど苦にならないのだけれども、勉強のために睡眠時間を削るなど、( 2 )できるものではない。 ( 3 )、どうすれば時間ができるのか。おおむね二つの方法がある。 ひとつは、自分にとっての「ムダな時間を減らす」ことだ。大学に受かるための時間が必要ならば、それに関係のない時間を減らせばいい。これは( 4 )、食事や入浴の時間を削れというわけではない。あたり前のように過ごしているムダな時間をなくせばいいのだ。(中略) 1 日 1 時間はテレビを見てもいいというような、ある程度の娯楽は許されるだろう。でも、どれもこれも十分な時間をとるのは、とうてい無理な話だ。( 5 )、どうしても自分にとって捨てられないことや捨てられない時間を二つ( 6 )三つに絞り、それ以外は削らなければならない。 時間を増やす二つ目の方法は、「時間の密度を上げる」ことである。時間の密度を上げるということは、 1 時間( 7 )5ページ勉強するのと 10 ページ勉強するのとでは、時間の密度が倍も違うということだ。前にも言ったように、勉強をやっていないのに「できる」人は、時間的に多く勉強していないだけで、人の何倍ものスピードで十分な勉強量をこなしているはずだ。 ( 8 )浮上してくるのが、一見ムダに見える時間の効用である。 1 時間だけはテレビを見る、彼女と電話で話すなど何でもいいのだが「遊び」があることで残りの2、3時間の密度がアップするなら、それはムダな時間ではなく投資の時間ということになる。 ( 9 )、時間をうまく使うには、自分であれこれと試しながら、こうしたほうが能率が上がる、これは時間のムダだ、ということを知っていく必要がある。自分で試しつつ、どうやったら時間の密度を上げられるか、何がムダで何がムダでないかを判断できるようになれば、時間を増やすことができるようになる。そして、( 10 )こういう能力を身に付けておけば、一生、時間をうまく使える人になれるのである。 (樹『まじめすぎる君たちへ』講談社による)